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「申し訳ない」は経営判断の基準にしない——完璧でなくても、価値があるなら堂々と対価をいただく

KiAI Business Update

 

株式会社KiAI(キアイ)代表の大場です。今回は、プロダクトに値段をつけて売るときに、ずっと心のどこかに引っかかっていた「申し訳なさ」との向き合い方について書きます。同じように悩む起業家の方の参考になれば幸いです。

 

🪞 「自分なら払わない」と「顧客にとって価値がない」は別の話

プロダクトを売るとき、ふと「自分だったら、これにこの金額は払いたくない」と感じる瞬間があります。作り手だからこそ、まだ粗い部分や足りない機能が誰よりも見えてしまうからです。

しかし、その感覚と「この顧客にとって、この金額を払う価値がない」という事実は、まったく別のものです。前者は作り手としての主観であり、後者は顧客の課題と、それが解決されたときの経済的な効果によって決まります。

顧客が抱えている課題の重さや、代わりの手段にかかる手間とコストは、顧客自身の文脈の中にあります。それを作り手の感覚だけで判断してしまうのは、誠実なようでいて、実は顧客の判断を軽視していることにもなりかねません。

 

🔁 誠実な経営者ほど陥る「無限ループ」

この2つを混同すると、誠実な経営者ほど次のようなループに入ってしまいます。

  • 「もっと良くしてから売ろう」
  • 「まだ足りない」
  • 「もう少し改善しよう」
  • 「まだ売るのが申し訳ない」

このループの怖いところは、一つひとつの判断がすべて「顧客のため」という正しそうな理由に支えられていることです。しかし実際には、売らない限り顧客からの本当のフィードバックは得られず、何を改善すべきかも見えてきません。結果として、プロダクトの成長も、顧客への価値提供も止まってしまいます。

 

⚖️ 堂々と対価をいただくための4つの条件

では、何を基準にすればよいのか。私たちは、次の4つを満たしているなら、堂々とお金をいただいてよいと考えるようになりました。

  • 顧客に嘘をついていない:できること・できないことを正直に伝えている
  • 約束した仕事をしている:お約束した範囲の価値を、きちんと届けている
  • 顧客にとって経済合理性のある価値を提供している:支払う金額を上回る効果が、顧客の側にある
  • 不具合や問題があれば責任を持って改善する:完璧でない部分に、逃げずに向き合い続ける

この4つは、「完璧であること」を求めていません。求めているのは、正直さと、約束を守ることと、責任を持ち続けることです。完璧さは売る前の条件ではなく、顧客と一緒に高めていくものだと捉えています。

 

🧭 慣れるべきは「申し訳なく思わないこと」ではない

誤解のないように書いておくと、「申し訳ない」という感覚そのものを捨てる必要はないと思っています。この感覚は、プロダクトの粗さに気づき、改善を続けるための大切なセンサーです。ただ、それを経営判断の基準にはしない、ということです。

スタートアップ経営で私たちが慣れていくべきなのは、「申し訳なく思わないこと」ではなく、「完璧ではないものでも、顧客にとって十分な価値があるなら、自信を持って対価をいただく」ことだ——これが今回たどり着いた結論です。

私たちきあい(KiAI)は、中小製造業の海外展開を支援するTrstを通じて、お客様に価値を届けることに責任を持ちます。その責任には、価値をきちんと届けることと同時に、その価値に見合った対価を自信を持っていただくことも含まれている。そう考えて、これからも顧客と向き合っていきます。

 

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