チャーンが起きた。正直、まだ少し揺れている


株式会社KiAI(キアイ)代表の大場です。今回は、チャーン(解約)が出たときの話を書きます。きれいに整理できた話ではなくて、今もまだ少し揺れている話です。
😮💨 「学びになった」は本当。でも正直、胃はキュッとする
チャーンが出たとき、プロダクトの方向性がかえってクリアになった感覚がありました。「あ、この使い方は自分たちが届けたいコアじゃなかったんだ」というのが、はっきり見えた。
頭では「これは良いことだ」と思えています。
でもやっぱり、あの胃がキュッとする感じは来ます。解約通知を見た瞬間の、じわっとした感覚。「自分たちのプロダクトに、価値を感じてもらえなかった」という事実は、データとして受け取ろうとしても、どこかに刺さります。
そのギャップが恥ずかしいわけではなく、むしろそれが正直なところだと思っているので、そのまま書いておきます。
🤔 「ターゲットを絞ると市場が狭くなる」という声が出た
チャーンをきっかけに、チーム内でターゲットについての議論が起きました。
「今回のチャーンで、本当に届けるべき顧客像が絞れてきた」という話をしたとき、インターンから「でもそれって、マーケットを狭めることにならないですか?」という指摘が出ました。
最初は「それはちがう」と思いました。スケールを狙うなら最初に狭く深く刺してから広げるのが定石で、最初から全方位を狙いにいくとどこにも深く刺さらない——そういうロジックは頭の中にありました。
でも少し落ち着いて考えると、その指摘自体が完全に間違っているわけでもないな、とも思いました。「今はまだそのフェーズじゃない」というのが正しい言い方で、「その視点はミスリードだ」と言い切るのは少し乱暴だったかもしれない。インターンが現場の顧客感覚から気づいたことを、理論で上書きしてしまうのは、チームとして損だなと反省しました。
💡 「チャーンしないユーザーがコアだ」——でも、本当にそうか?
チャーンの後、「残ってくれているユーザーこそが、自分たちが本当に届けるべき相手なんだ」という感覚が強くなりました。使い続けてくれている、成果が出ている、手放せなくなっている——そういう状態のユーザーが、ICP(理想の顧客像)の正解に近い、というのは直感的に腑に落ちます。
ただ、「残っている=正解」と言い切っていいかどうかは、まだ分かりません。
惰性で残っているだけかもしれない。解約が面倒だから置いてあるだけかもしれない。あるいは、まだ使い始めたばかりで判断できていないだけかもしれない。
「そうだ、これが答えだ」と確信したくなる気持ちはあります。でもその確信が、都合のいいデータだけを見ようとする気持ちから来ていたとしたら、危ない。チャーンが出た後の「次こそは」という前のめりな気持ちが、ちょっとした確証バイアスを生みやすいタイミングでもあると思っています。
📋 だから次にやること:感覚より先にデータを見る
今の私たちきあい(KiAI)がやるべきことは、シンプルです。
残ってくれているユーザーが、本当に価値を感じているのかどうかを、ちゃんと確かめること。利用の頻度、どの機能を使っているか、「これがなかったら困る」と思ってくれているかどうか。そういうことをひとつひとつ確認してから、「これがコアだ」と言葉にする。
感覚が先行しているうちは、まだ仮説の段階です。そこを急いで「絞り込めた、スケールできる」という話にしてしまうのは、かえって次の判断を鈍らせると思っています。
チャーンは確かに学びでした。でも、そこから何を学んだかをちゃんと確かめるのは、これからです。
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